院長コラム

内視鏡検査につきまして

2022年03月08日

京都の新型コロナウイルス感染者の数も少し減少傾向が見られるようになり
発熱外来に来られる方の陽性率も少し低下してきたような印象があります。

毎日2000人を大きく越える感染者数が出ていた頃は内視鏡検査を受けに来られる方も
かなり少なかったのですが、少しずつ内視鏡検査を受けに受診頂く方も増えてまいりました。

当院HPには当院での内視鏡につき紹介させて頂いておりますが
実際に開始してみてHPを作成していた時と少し考え方が変わった点もありますので
少しご案内させて頂きます。

まず胃カメラに関してですが、胃カメラについてご相談する場合、下記3点につき相談させて頂きます。

・通常の太さのカメラでするか、経鼻用の細径のカメラでするか
・口から入れるか、鼻から入れるか
・鎮静剤(眠り薬)を使用するか

カメラの太さに関してはハイビジョン化されてからは画質に全く遜色がないため
通常径のカメラで何度もした事があり平気だという方以外は細径のカメラをお勧めしています。

口からか鼻からかという問題に関しては、どうしても鼻からしたいという方は鼻から施行させて頂きますが、
鼻からカメラを挿入するためには鼻の麻酔が必要であり、自分にやってみると鼻の麻酔自体もそれなりに苦痛の伴うものであり
鼻腔の狭い方は鼻が痛かったり鼻血が出たり、そもそも狭くて通らず結局口から入れる事になる場合もあります。
鼻から挿入すると舌根を抑えにくいという理論はありますが、結局は喉を通過する時にえづく事も多く、
そのメリットの恩恵を受けれる人はそこまで多くない印象です。
また鼻からだと検査中に会話可能という話を聞く事がありますが、咽頭麻酔をして喉にカメラを通しながら
会話するというのは誤嚥のリスクがあり当院ではお勧めしません。

以前勤務していた病院で検査していた方と比較すると年齢層が下がったせいか
鎮静剤を使用しても通常径のカメラではえづかれる割合が少し高い印象を受けましたので
現在は細いカメラを口から入れるを第一選択としてお勧めしています。

鎮静剤に関しては、当院としては特に推奨も否定も致しません。
ご希望の方にはミダゾラムでの鎮静下に検査を施行させて頂いております。
胃カメラは喉の反射が相手ですので、中には平気な方もいらっしゃいますが
基本的には楽か苦痛かというよりも耐えれるか耐えれないかという検査だと考えています。
恐怖心の強い方や他院で苦痛が強かった方、特に抜こうとしてしまったというような方は
えづきがあまりに強い場合は検査自体の質も下がりますし危険もありますので、鎮静下での検査をお勧め致します。
ただ、とてもえづくが鎮静なしてやってほしいというご希望があれば鎮静なしで施行させて頂きます。
プロポフォールという薬剤で鎮静下に検査を施行しているクリニックもありますが
医師一名のみのクリニックでプロポフォールを使用するのは少し安全面に不安がありますので
当院ではミダゾラムを使用して検査を施行しています。
鎮静剤を使用する場合は検査後自転車を含め運転をする事ができませんので運転が必要という方は使用する事ができません。
年齢や体格に応じ少なめの量から開始し適宜追加をしながら検査を行います。
眠っている間に検査が終わったという風にできる方も多いですが、
普段から飲酒量の多い方、睡眠薬などを常用されている方、大柄な方などは鎮静を得るのに大量の薬剤を必要とする事があります。
外来検査でいきなりあまり大量の鎮静剤を投与するのはリスクがあり十分な鎮静が得られない場合もありますが、
安全第一で初回はある程度の量までの投与とさせて頂きます。

大腸カメラに関してご相談する場合は、下記3点につきご相談させて頂きます。

・下剤を院内で内服するか、自宅で内服するか
・鎮静剤を使用するか
・ポリープがあった場合切除するか

大腸検査当日には液体の下剤を内服し腸管を洗浄しますが、下剤を院内で内服する事も自宅で内服する事も可能です。
トイレ付個室完備の前処置室が多数あるクリニックも増えていますが、当院では院内で下剤を飲むスペースは基本的に1名分のみです。
また医師が1名しかいないため検査開始は外来受付終了後となるためどう早くても12時半くらいで、通常13時以降となります。
自宅で内服頂く場合、通常朝9時頃に下剤を内服開始頂き、11時頃に一度お電話で排便状況を確認させて頂きます。
その時点でほぼ綺麗になっている方も多数おられますので、院内で内服した場合そこから2時間ほどする事がありません。
遠方の方は少し内服開始時間を早めて頂くと早くきれいになり、一旦下剤ができるとそう何回もトイレに行く必要はありませんので
少し遠方でもご自宅で内服頂く事は可能です。
院内で内服頂く場合は時間をつぶす用意もご準備下さい。

鎮静剤に関しては、胃カメラ同様推奨も否定も致しません。
息を吸って頂いたりすると挿入しやすい場面があったり、あまりに痛い場合には危険ですので痛いと分かった方がいいといった事もあり、
一概には言えませんが腹部手術歴のある方、他院で挿入困難であった方は使用をお勧めしています。

当院で日帰りで切除可能なポリープは10mm前後までですが、医学的に検査時に切除が望ましいものだけを切除する事も
将来的に切除される可能性が高い小さいものを含めて切除する事も、一旦観察のみとする事も可能です。
一旦経過観察とするとついつい間が空いてしまったり、思わぬ大病を患って大腸カメラへのハードルが上がってしまうという事もあり
切除可能なものは切除してしまうというのを基本的にはお勧めしますが、事前に受診頂いた時に相談させて頂きます。

胃カメラは当日施行でWEB予約頂く事が可能ですが、大腸カメラは事前に下剤の処方が必要なため一度受診頂く事が必要となっています。
脳梗塞や心筋梗塞などで血液を固まりにくくする薬剤を内服されている場合には、休薬するかどうかや、組織検査やポリープ切除について
予め相談が必要ですので、胃カメラであっても一度受診頂き後日予約を取得させて頂きます。

胃カメラ・大腸カメラ同日施行も可能ですが、やはり下剤の処方が必要ですので事前に一度受診頂くようお願い致します。

WEB予約だけでなく電話での予約も可能ですので、診療時間内(09:00~15:00)にお電話でお問合せ下さい。

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