形成外科コラム
皮膚皮下腫瘍切除の方針
2022年06月13日
当クリニックの皮膚皮下腫瘍切除の方針を説明します。
悪性(がん)のできものでないかどうかの検査を優先しながら
傷痕(きずあと)をなるべく残さない治療とのバランスをとります。
・皮膚腫瘍の場合
ほくろなど、あきらかに皮膚の深い層まで腫瘍があるとわかるものに関しては皮膚全層で切除し
皮膚の浅い層にとどまっていそうな腫瘍に関しては、皮膚のごく浅い(0.2mm程度)層で切除します。
皮膚の浅い層で切除する理由は、皮膚の深い層に傷つけなければほとんど傷痕がわからず治すことが可能だからです。
皮膚の浅い層での切除でとりきれることがほとんどですが、根本が皮膚の深い層まで残っている場合は再発します。
・皮下腫瘍切除の場合
超音波検査で深さ・大きさ・性状・血流の有無を確認します。
たとえば明らかに粉瘤だろうと判断された場合は、くりぬき法でごく小さい切開創で治療します。
しかし、超音波検査で内部血流が確認されるなど、悪性を疑う所見がある場合は、
初回の手術においてはしっかりとることを優先することをお勧めします。